生活防災 災害時生活 イメージして

 街の元気づくりコーディネーター 久保里砂子

 新型コロナウイルスの影響は、計り知れない。地球環境の変化は、自然災害だけでなく、新たなウイルスの発生など、これまで経験したことのない事態を次々ともたらすのだろう。

 非常時も、平素からも、一人一人がすべきこと、仲間と一緒にすべきこと、自治体や国レベルで対応に当たることなど、それぞれの立場で協力してやっていくほかはない。

 先般、トイレットペーパーが店頭から消えた。品薄になるのでは?というデマに触発された、行き過ぎた購買行動といわれているが、実は私は、この騒動の数日前に、生活必需品と保存できる食料品を多めに買い足した。市中感染が拡大する最悪の事態では、外出が制限されることもありうると考えたからだ。

 危機管理行動としては、悲観的に準備をして、楽観的に行動することが必要だと言われている。恐れるだけでなく、今だから想像できる非常時の生活への備えをすべき時だと思う。

 ある商店街で、生活防災という取り組みをしたことがある。商店街の各店舗で日ごろ販売している商品を「いざというときに役立つもの」という視点で見て、生活防災グッズとしておすすめするものだ。

 地震で落ちても割れにくいプラスチックの食器や、樹脂素材の時計や写真立て…。花粉症対策の眼鏡やマスクは、災害時の粉じん対策になる(今ならウイルス対策にもよいかもしれない)。ラップは、体に巻くと保温効果があり、ひもやテープ代わりにもなる。ジッパー付きの袋は、防水や防じんに優れ、密封したいものに使える。

 保存期間が長い防災食をそろえるのもよいが、あめやチョコレート、ドライフルーツやナッツなど、いつでもどこでも食べられる高カロリー食品が重宝する。レトルトパックや缶詰は調理しなくても食べられるし、麺類はゆで時間が短いものがよい。カセットこんろは必ず備えておこう。

 災害時の生活をイメージしよう。ライフラインが止まったらどんな生活になるか、家にとどまることができるのか、できないのか。感染拡大して、外出できなくなったらどうなるのか。今のうちに落ち着いて考えておきたい。

 災害が多発している昨今、各家庭での備蓄が必須だが、特別なものではなく、普段使っているものや、食べているものを多めに置いて、使いながら備えることが推奨されている。「家庭内流通備蓄」「ローリングストック」という。

 新型コロナウイルスの感染はいまだ先が見えない。最悪の事態も考えて慌てることなく準備をし、ただ恐れるだけでなく、一人一人ができるだけ予防策を講じて暮らしていこう。感染症対策に注意を払っていけば、今後はインフルエンザも減少するに違いないし、生活防災で、対応力(防災力)を高めていこう。

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 くぼ・りさこ 青森県弘前市出身。商品科学研究所、セゾン総合研究所研究員を経て商店街活性化、街づくりを実践。2008~11年度、松江市中心市街地活性化協議会タウンマネージャー。合同会社むっつのたね代表社員。青森県むつ市在住。

2020年3月22日 無断転載禁止