女子ログ たわしでごしごし

 去年の夏、お盆の前だった。たまには早めに済ませておこうと、墓掃除に出掛けた。

 日の陰り始めた夕方にしたのだが、じっとしているだけで、じんわり汗が出てくる。早めに終わらせようと思ったのだが、やってみると、墓石の汚れとか、落ち葉とか、雑草とかが気にかかってくる。結局汗だくになって長々と作業をしていた。

 父親が亡くなってから建てた墓は、そろそろ墓石の角っこの方が少しずつ緑色になっている。一応小さなたわしでこすったりするのだが、水鉢や花立ての石などは、ぬれやすいためなのか、石の隙間がかなり汚れている。でもなかなかうまくたわしが当たらない。

 実はこの時まで私は、墓石は水鉢も花立ての石もみんなくっついているものとばかり思っていた。でも、暑さと汚れがうまく落ちないいらだちで、ふと花立ての石を動かそうとしたのだが、これが簡単に動くじゃないか。しかも、隠れていた面は結構緑色に汚れている。驚きと小さな喜びに浸りながら、たわしでごしごしこすりまくった。

 ならばと思い、水鉢にも手をかけると、ちょっと重たかったが、これも動く。「おーっ」。たわいもない発見なのだが、暑さでイライラしていた気持ちはどこかへ行ってしまった。

(米子市・カーム)

2020年3月23日 無断転載禁止