女子ログ 人の記憶って怪しい

 最近は人手不足が慢性化しているようで、引っ越しの段取りをするのが、とても大変だと聞く。希望の日程で事を進めるなんて、至難の業だそうだ。

 うちの夫は学生時代、引っ越しでひどい目に遭ったそうだ。東京のアパートに向けて荷物を送った後、到着日に合わせて上京したのだが、午後1時ぐらいには着くはずのトラックはいつまでたっても姿を見せない。

 がらんとした部屋の中でひたすら待っていてやっと運ばれてきたのが午後7時。しかも困ったことに、荷物の中に見たこともない布団袋があった。他人のと取り違えたようで、調べてみたら、何日か後になって現物が地元の荷物ターミナルで見つかったそうだ。

 夫は自分の布団が着くまで何日か親戚の家に避難した。でも今になってはそういった苦労も思い出深いといい、「あの時期はみんな忙しかったんだろうし、しょうがないさ」なんて余裕をかましている。

 後で義母にこっそり当時の話を聞いた。義母の記憶が正しいかどうかは定かではないが、本人はかなり大騒ぎだったらしい。それはそうだろう。東京はもちろん1人暮らしも初めての田舎育ちの若者が、あんな目に遭って困らないはずはない。人の記憶って怪しいもんだ。

(松江市・ブランチ)

2020年3月25日 無断転載禁止