世事抄録 パンデミックに立ち向かうには

 新型コロナウイルス感染が世界的に深刻な局面を迎えている。このウイルスの正体や感染メカニズムなど多くのことが分かっていない。また、医学面だけでなく、社会的・経済的にも大きな打撃を与えていて、人類全体としても未経験の事態になっている。

 これまでの日本政府の対応については、「よくやっている」「後手後手だ」「やり過ぎだ」などさまざまな評価・批判がある。だが未曽有のパンデミック(世界的大流行)の前では専門家すら即座に正解を出すことは困難だと思われるので、逐一評価を下すよりも、今は政府と国民が一丸となって、考えうる最良の対策を粛々と実行するしかないと思う。そのために最も大切なことは、徹底した情報公開であり、政策決定過程の透明性を確保することではないだろうか。

 例えば、先日の先進7カ国(G7)首脳緊急電話会談終了後、総理は東京五輪・パラリンピックについて「完全な形での実現に支持を得た」と、政治的かつ文学的な表現を繰り返し、開催時期については議論の有無すら語らなかった。しかし、この時期の首脳会談で、開催時期が話題にならないはずがない、と誰もが思ったのではないか。

 これはほんの一例だが、こうしたところから来る現政権へのもやもや感が、政府と国民が一丸となってウイルスに立ち向かうとき、最も大きな障壁になるように思う。開催延期が決まった今、皆さんはどう思われますかな。

(島根県津和野町・柊)

2020年3月26日 無断転載禁止