酒造会社、次々発売 代替エタノール製造注力で貢献

日本海酒造が消毒液の代用品として製造した商品=浜田市三隅町湊浦
 政府が転売禁止を決めるなどアルコール消毒液の不足が続く中、島根県内の酒造会社が手指の消毒に使用できる「高濃度エタノール」の製造に動いている。代用品で品薄状態の解消に貢献するとともに、飲食店向けなどで日本酒の出荷が激減する中、収入の確保にもつなげる。

 日本海酒造(浜田市三隅町湊浦)は、新型コロナウイルス感染症で庁舎などで使う消毒液が不足している浜田市から要請を受け、代用品となるアルコール度数66度の製造を19日に開始した。6月上旬までに約1400本を製造し、全量を同市が買い取る。醸造用アルコールを加水して薄めたもので、消防署と安全性などを協議し、可能な範囲で高いアルコール度数にした。

 外出自粛などの影響で出荷は落ち込んでおり、藤田真路社長は「少しでもお役に立ちたいと製造を引き受けた。苦しい経営環境の中、売り上げが確保できるのはありがたい」と話す。

 厚生労働省は、医療機関などで消毒液の代用品としてアルコール度数の高い酒「高濃度エタノール」の使用を許可。国税庁も度数が高い「スピリッツ」(蒸留酒)などの製造免許の取得手続きを簡素化した。

 奥出雲酒造(島根県奥出雲町亀嵩)は製造免許を新たに取得し、20日に「奥出雲スピリッツ66」(アルコール度数66度)の販売を開始。消毒用で、普段から取引のある酒販売店などに卸しており、寺戸史浩統括営業部長は「酒が売れず販売店も苦しい状況。経営の一助になれば」と期待した。

 隠岐酒造(隠岐の島町原田)は焼酎を再蒸留したアルコール度数65度のスピリッツを商品化した。瓶のラベルに疫病を防ぐ妖怪「アマビエ」のイラストを入れ、香り付けに奥出雲薔薇園(大田市長久町)のローズウオーターを加えた。小型蒸留機を使うため1日の生産量は100リットルほどだが、隠岐郡内の公共、福祉施設へ供給し、役立ててもらう。

2020年5月23日 無断転載禁止