逆境に立ち向かう

 極真空手の創始者・大山倍達さん(故人)のチャレンジ精神を敬愛する。強さを追求し、数々の格闘家はもちろん、牛とも戦った逸話で知られ、著書「大山カラテもし戦わば」では虎や熊など猛獣との対戦を空想。ライオン相手には「急所を握りつぶしてひるませたい」と攻略法を描く▼人間が猛獣に勝てるわけない、と常識をのぞかせつつも、守るべき妻子がそばにいたら-と不可避の状況を設定して思いをはせ「猛獣に勝てるなら何もいらない」という格闘家魂がすごい▼心理学の書「マインドセット『やればできる!』の研究」(キャロル・S・ドゥエック著)によると、他人に認められたい人は失敗を恐れて困難を避け、要領よく楽に点数稼ぎをしてプライドを保つ。自分を成長させたい人は失敗を恐れず困難に挑み、努力と学びに喜びを見いだす。逆境でこの差は如実に表れる▼失敗や災難を嘆くばかりでなく、最悪の事態を予測して受け入れる覚悟を決め、事態の好転に努めよ-と人生の指南書「道は開ける」(デール・カーネギー著)は説く。腹をくくれば、冷静に対処方法を考えられ、最悪の事態を避けられる。この教えには何度も救われた▼新型コロナウイルスとの闘いは長丁場になった。いつ元の生活に戻れるかと気に病んでもつらいばかり。今できることに感謝し、今しかできないことを探そう。気の持ちようで人生は楽しくなる。(志)

2020年5月23日 無断転載禁止