それにしても遅い

 2週間前、東京にいる息子から不織布製のマスクが届いた。薬局で買えるようになったという。安倍晋三首相からの布製マスク2枚は、まだ来ない。466億円もかけるのなら、困窮する学生数十万人に、もっと早く10万円ずつ渡せただろうに、と思う▼それにしても遅い。首相が対策本部の会合で「マスクを配る」と表明してから既に2カ月。感染者が多い東京では4月17日に配布が始まったが、これでは緊急時の対応として心もとない。不織布製に比べウイルス対策には不十分との指摘があるとはいえ、緊急事態宣言が解除された後では▼1人一律10万円の現金も同じだ。当初は収入が半減した人への緊急的な救済策として3月下旬に大枠が固まり、マスクとほぼ同時期に、1世帯30万円と一度は決まっていた。それがドタバタ劇の結果、支給する趣旨が変わった▼10万円の特別定額給付金は申請手続きが必要。松江市の場合、郵送分の支給が始まるのは6月9日になるようだ。仕事を失ったり、収入が激減したりして既に生活が苦しくなっている人にとっては歯がゆいだろう▼コロナとの共生を求められる時代についての論議が始まっている。その中で、ぜひ必要だと思うのは、緊急時、国民に迅速に物資やお金を届ける仕組みだ。税金を集めるだけの一方通行ではなく、できれば身近な自治体にプールしておく双方向のシステムを整えてほしい。(己)

2020年6月1日 無断転載禁止