若者の県外流出抑制対策、コロナ拡大で苦戦

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、鳥取県が2020年度に計画していた若者の県外流出を抑制する対策推進に苦戦している。県内の企業や大学生が交流するイベントなどが、開催できなくなっているためだ。新型コロナを巡って不透明な状況が続く中、収束後に備えて対応の練り直しを図る。

 県の人口移動調査では、転出者から転入者を上回る「社会減」が2017年1164人、18年1572人、19年1248人に上る。このうち、15~24歳は17年1107人、18年1286人、19年1136人と、全体の8割以上を占めており、若者の流出阻止対策が急務となっている。

 さらに、19年6~8月に実施したアンケートで「今後に鳥取県に住みたい」と答えた高校生が55.7%なのに対し「子どもに将来鳥取県に就職してもらいたい」と回答した保護者は45.0%にとどまり、子どもと保護者の認識の差も大きい。

 県は当初、県外流出の抑制に向けて保護者の理解を深めるため、高校のPTAと連携し、県内で働くことや暮らすことの魅力を発信するセミナーを計画。高校生の就職活動を前に、1学期中に実施する予定だったものの、開催できない状況になった。

 さらに、県内就職を推進するため、高校生や大学生と企業との交流会を今秋に開く予定だったが、現時点で開催は不透明な状況になっている。

 県関係人口推進室の岡本圭司室長は「人が集まることが難しい現状では、実施するめどが立たない」とこぼす。

 手をこまねいているわけではない。県内の大学生を対象に、暮らしや就職活動に役立つ情報の配信を、2月に始めた。専用アプリの登録時や就活、交流イベントに参加すると、ポイントがたまり、大型ショッピングセンターなどで商品の購入などに仕える仕組みで、現在2500人にとどまる登録者数を5千人に増やしたいとの考え。

 大学生の就職活動はすでに佳境に入り、都会地では内定が出ている企業もあるだけに、早急な対応が必要で、岡本室長は「新たなPR方法も視野に準備を進めつつ、できることを進めたい」と話した。

2020年6月3日 無断転載禁止