ごみ袋をちゃんと縛って 収集業務、感染リスクとの闘い

注意を払いながら収集車にごみ袋を積み込む峯谷光俊さん=松江市八束町遅江
 6月11日朝、梅雨空の松江市内。ごみ収集業務を担うコナンクリーンシステム(松江市富士見町)の社員は、2人一組で回収作業を始めた。

 市の委託を受ける松江環境整備事業協同組合(同市大庭町)に入る同社。作業員は持ち場の地区を回り、収集車がいっぱいになると処理施設のエコクリーン松江(同市鹿島町上講武)へ運び、再び持ち場に戻るという作業を繰り返す。

 同市八束町と本庄地区を担当する峯谷光俊さん(45)は、フェースシールドをくもらせながら、テンポ良くごみ袋を積み込んでいく。

 新型コロナウイルスの影響で収集業者は精神、身体の両面で大きな負担を強いられながら、市民生活を支えている。

 同市内で感染者が確認された4月上旬以降、各家庭からの搬出量が増えた。半透明のごみ袋の中には、いくつものマスクやティッシュペーパーが見える。新型コロナの感染で、担当地区の収集が滞る不安がつきまとう。

 「いつ、どこで感染するか分からない。車内に消毒液を常備して手袋もしているが、やはり怖い」

 一番の心配は袋の縛り方だ。しっかり口が結ばれていない袋からマスクやティッシュが飛び出し、一つ一つを手で回収する。小さな心掛けができない人が意外にも多く、何度も手で拾う日もある。

 「ごみが出てこないように袋をちゃんと縛り、マスクやティッシュは、できれば小袋に入れた上で指定のごみ袋に入れてほしい。リスクが全く違う」と、強く訴える。

 同社では落胆する出来事もあった。マスクや消毒液の購入経費に充てようと、島根県が生活関連サービス業などを対象に創設した助成制度に申し込もうとしたところ、「対象外」と断られた。ごみ収集は「生活関連サービス業」ではないのか。田中美恵子社長は「市民の生活のために動いている人にも目を向けてほしい」と願う。

 新たな感染者は出ていないが、ごみ袋に入るティッシュやマスクの量に変化はない。峯谷さんは「(感染リスクと)ずっと闘わないといけないが、自分たちがやらないと市民生活が回らない。責任を持って仕事をしたい」と、社会生活の維持に不可欠なエッセンシャル・ワーカーとして誇りを持つ。

 「いつもありがとう。これから暑くなりますが、気を付けて頑張ってください」

 時折、ごみ袋や集積所のふたに貼り付けてある市民からの手紙を心の支えにして、きょうも汗を流す。

2020年6月13日 無断転載禁止