コロナ受け、就学援助強化 基準緩和や支援強化

 生活困窮世帯に、給食費や学用品などの費用を支給する「就学援助」。新型コロナウイルスの影響で家計状況が急変した世帯に対し、山陰両県全38市町村のうち8市町が、審査基準緩和や支援拡充を行っていることが分かった。長引くコロナで年度途中の申請増加が予想されており、自治体には困窮者に寄り添う柔軟な対応と、制度周知の徹底が求められている。

 島根、鳥取両県教育委員会によると、2018年5月1日時点で就学援助を受けている児童生徒数は島根8243人、鳥取6745人。公立小中学校の全児童生徒数の16%を占める。

 コロナで収入が激減する世帯が増えると見越し、出雲、益田、境港の3市と奥出雲、飯南、美郷、邑南の4町が審査基準を緩和。通常は前年度の所得状況を認定の参考とするが、直近の収入状況で審査する。いずれも直近2、3カ月分の給与明細や1年の収入見込み証明書、退職証明書などを提出してもらう。各家庭には5月中旬~6月上旬に変更点を周知した。

 さらに益田市と奥出雲、美郷、邑南の3町は各家庭の状況に応じ、年度当初にさかのぼって認定し、4月分から費用を支給する。美郷町教委教育課の漆谷千鳥課長は「相談は寄せられていないが、収入が激減した家庭は出てくるだろうと予想し(対応の)必要性を感じた」と述べた。飯南町も場合によって、認定月を早めて支給することを検討している。

 すでに対象となっている世帯への支援を拡充する自治体もある。出雲、米子両市は、休校中の昼食代を補助。出雲市は小中学生とも1食あたり500円、米子市は小学生に同280円、中学生に同330円を支払う。出雲市は学校検診の延期を受け、検診で治療が必要と判断されてから支給する虫歯などの治療費を、検診を受ける前に通院しても援助する。

 従来通りの対応は30市町村で「コロナの影響による制度利用の相談が学校に寄せられていない」などが理由だった。このうち雲南市と吉賀、若桜、伯耆の3町は追加支援などを検討中。いずれの市町村も個別相談を受け付けている。

 広報誌やホームページで制度を再周知する市町村もあり、鳥取市教委学校保健給食課の山根ちはる課長は「家計が急変したら相談してほしい。制度内容をいかに分かりやすく伝えるかが大切だ」と話した。

2020年6月13日 無断転載禁止