重い責任、どんな状況でも 犬猫譲渡、面接で地道に

保護した猫を世話するボランティアのメンバー=出雲市小山町、ツインハート
 「みんな今日も元気だね。さあ、お家をきれいにしましょうか」

 島根県出雲市小山町にあるペットの美容室「ツインハート」。敷地内の小屋で、ボランティアが寝転ぶ猫に優しく声をかけ、手際よく寝床を清掃した。

 新型コロナウイルスは、動物も無関係ではない。ツインハートを拠点に島根県内で犬や猫の保護活動に取り組むNPO法人「アニマルレスキュードリームロード」では、出雲保健所や路上で保護された犬、猫を引き取っている。

 行き場のない動物たちの数は増え続ける。コロナ禍でも平時と変わらずペットを放置する無責任な飼い主は減らない。4月から約40匹を新たに受け入れ、現在は犬と猫約120匹を世話している。20人のボランティアが空いた時間に手伝いに訪れ、散歩やえさやりといった世話に日々、忙殺されている。

 新しい飼い主を見つける譲渡会は、県内で感染者が確認された4月上旬から中止し、再開のめどは立っていない。譲渡会で感染者が生じた場合、保護中の犬、猫たちが守れなくなることを最も恐れている。

 10年ほどの活動で千匹以上を新しい家族へ送り出した。月3~4回の譲渡会は、動物たちを新しい生活に導く重要な起点となっていた。このため、引き取り希望者から予約を受け、一組ずつ面接した上で飼い主として信頼できるか、見極める方法に変えた。

 同NPOの原ゆかり理事長(51)は「一組ずつ時間をかけて質問することで、しっかりと覚悟と準備があるかを確認しやすくなった」と前向きに捉える。

 譲渡会では、軽率な思いで引き取りを希望する人もいる。犬、猫は自分で飼い主を選べない以上、一生を託せる人かを見極める。責任の重さを肝に銘じ、引き取り手としての厳しい条件を示していく。

 「どんなに譲渡のペースが落ちても慎重に見極めて託したい。今後も地道に活動を続けていく」

 譲渡会再開のタイミングを考えながら、会員制交流サイト「フェイスブック」へ保護した犬、猫の写真の投稿にも力を入れる。

 「どんな状況でもこの子たちが幸せに暮らせるよう願っている」

 変わらない思いで、今日も愛情を注ぐ。

2020年6月19日 無断転載禁止