地域に看護師派遣、高齢者の見守り訪問

 新型コロナウイルスの影響で都会地から島根県への帰省を自粛する動きが続く中、住民の健康づくりを支える看護師「コミュニティナース」の派遣を行う雲南市内の企業が、遠方に住む家族の依頼で高齢者の見守りを行う新たな有償サービスを計画している。全国初の取り組みで、雲南、出雲両市でモデルケースをつくり、将来的には全国で事業展開する構想を描く。

 新サービスの名称は「ナスくる」。依頼に応じてコミュニティナースが高齢者宅や地域住民の会合に足を運び、定期カウンセリングや遠隔診療の補助を行う仕組みだ。

 高齢者の健康維持と遠方の家族の不安解消につなげる狙いがあり、看護師の派遣や育成、普及活動に取り組む「コミュニティナースカンパニー」(雲南市木次町里方、矢田明子代表)が8月以降の本格稼働を目指している。

 現在は実証期間として、週1回の戸別訪問による健康確認と月3回の生活の困りごと対応をセットにした「定額制」(月額2万円)、体調や検査データの相談と遠隔診療に必要な機器の準備などを行う「都度制」(1回1万円)の2種類を展開。東京や大阪などの大都市圏に住む親族のほか、地元の高齢者本人の申し込みも想定している。

 メニュー内容や料金は利用者の声などを踏まえて精査し、本格運用につなげる考えで、地元の看護学生や中高生なども見守り活動に参加できる方法も検討するという。

 事業化のきっかけは、感染拡大を受けて同社に「親の様子が心配だ」「近所の人の様子がおかしい」といった相談が寄せられたことだった。

 矢田代表は「ナスくるをきっかけに、改めて家族や知人を思い合う気持ちが見える形でつながっていくようにしたい」と話し、他にコミュニティナースが活動する大阪、愛媛、奈良、宮城、福岡などの各府県でもサービスを展開していくとした。

 問い合わせは同社、電話0854(47)7272。

2020年6月19日 無断転載禁止