移動自粛、全面解除 山陰両県、羽田便回復へ

東京便搭乗者らであふれる国内線到着ロビー=出雲市斐川町沖洲、出雲空港
 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた都道府県をまたぐ移動自粛が19日に全面的に解禁され、出雲、米子両空港では羽田便を利用するビジネス客を中心に人出が戻り始めた。全日本空輸は7月以降、山陰両県の空港と羽田の復便を発表。コロナ前の日常が少しずつ戻ってきた。

 5月の平均搭乗率が20.4%だった米子空港を発着する羽田路線は19日の1往復便がともに80%を上回った。都内の病院へ就職試験を受けるため利用した島根県立大看護栄養学部4年の磯谷結加さん(21)は「いいタイミングで移動自粛が解けた。東京に着いても感染対策を取りたい」と手指用の消毒液が入れたかばんを手にした。

 中間席の使用を制限している日本航空の出雲-羽田便を利用し、出雲空港に到着した横浜市の会社員勝木陽平さん(31)は「本当は大型連休中に来たかった」と述べ、出雲、松江両市の観光に向かった。

 スーツ姿の乗客も目立った。都内の事業所に勤務する会社員日比健太郎さん(28)は「4、5月はテレワークだったが、6月からは会社に出勤して顧客への訪問も始めている」と話し、出雲空港ターミナルの紀野典彦取締役管理部長(58)は「ビジネス客を中心に利用者が戻りつつある」と胸をなで下ろした。

 全日空が発表した7月の国内線の運航計画で、6月は1往復だった米子-羽田、鳥取-羽田の両便は7月22~26日が3往復、それ以外は2往復に増やす。6月にゼロ便の日があった萩・石見-羽田便は全日、1日1往復の運航となる。

 JRや航空各社は感染不安を解消しようと駅、空港で設備を消毒し、密集や接近を避ける対策を徹底している。

 東京駅の東海道新幹線ホームでは19日朝、閑散としていた自粛期間とは打って変わって乗車待ちの列ができた。切符売り場には飛沫(ひまつ)を避けるビニールカーテンを設置。改札口では駅員が切符投入口やICカードのタッチ部分をアルコール消毒液が染み込んだ布で拭いた。

 全日空は機内への搭乗順を6グループに分け、機体後方の窓側から案内する方法を導入。羽田空港ではフェースガード装着の地上スタッフが距離を十分に取るよう求めた。

 テーマパークなど観光施設も相次ぎ再開した。大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパンは制限を緩和し、全国の年間パス所有者と関西2府4県居住者を対象にオープン。「なんばグランド花月」も観客入りの公演を3カ月半ぶりに再開した。

2020年6月20日 無断転載禁止