「3密」高校説明会開けず 学区撤廃、松江の3校アピール苦慮

学校紹介のDVDを作成する松江南高校の教員=松江市八雲台1丁目、松江南高校
 新型コロナウイルスの感染拡大防止で、進路選択を控えた中学3年生向けの高校説明会が開きにくい状況になっている。特に松江市内では、普通科を持つ島根県立3校(松江北、松江南、松江東)で2021年度入試から学区制が廃止されるため、各校が特色をどうアピールして生徒を呼び込むか頭を悩ませている。

 例年、各中学校が主催する3年生への高校説明会は6~7月ごろに実施。高校の担当者が各中学に出向いて、学科や部活動について説明する。多くの中学校が体育館に生徒を集めて開催するが、今年は「3密」が回避できないため開催が難しいという。

 学区撤廃に合わせ3校の中で唯一、学科改編を行う松江南。新たに設ける文理融合型の探求科学科(定員80人)は聞き慣れない名称で、何を学ぶか分かりづらいだけに、同校教育開発部の佐々木玲子教諭(47)は「学校に出掛けて説明し、中学生の反応を直接見たかった」と漏らす。高校説明会は開けないが、オープンスクールは感染防止対策をとって実施。高校生活を想像しやすいよう、理数科生の研究発表を動画で流す予定だ。

 近隣の島根大や地域との連携を強化し、選択科目の新設で特色化を図る松江東。学区撤廃で受験生の動向が読みにくい中、野々村卓校長は「どれくらい生徒が来てくれるか不安はあるが、地域で学びたいと思う子に志望してほしい」と強調。学校ホームページに、中学生からの質問を受け付けるコーナーの開設を検討している。

 松江東と、理数科と普通科の2科を維持する松江北は、8月に予定していたオープンスクールを9月に延期して実施する。

 中学校側も、進路選択に支障が出ないよう必死。松江市立湖南中学校3年の豊島叶多さん(15)が「直接話を聞いて高校のことを知りたかった」と言うように、不安も大きい。

 同市校長会(会長・原俊行湖南中校長)は、説明会の開催の代わりに、松江、安来両市内の公私立高校と松江工業高等専門学校に学校紹介のDVD作成を依頼した。6月下旬から両市内22中学に配布する予定で、原会長は「DVDを見て生徒が疑問に感じたことを、中学と高校が連携して解決したい」とする。

 県教育委員会県立学校改革推進室は、松江北、松江南、松江東の3校がそれぞれ制作した学校紹介動画を、7月中旬~下旬に地元ケーブルテレビで放送する予定にしている。

2020年6月22日 無断転載禁止