出雲高校生徒、コロナ研究の最前線に触れる

新型コロナウイルスについてパソコン画面を映し出した機材を見ながら説明する大日康史主任研究官(右)=出雲市今市町、出雲高校
 国立感染症研究所感染症疫学センター(東京都)の大日康史主任研究官が25日、出雲高校(島根県出雲市今市町)を訪れ、新型コロナウイルスをテーマに生徒と懇談した。生徒に正しい知識を得てもらおうと、同校が同主任研究員に新型コロナに関するオンライン教材作成を要望し、完成した縁で実現した機会。生徒らはこれからの新型コロナとの向き合い方を学んだ。

 大日主任研究官は、感染症情報の開発や運用を主に手掛ける。2007年に医師杉浦弘明さん(55)=出雲市今市町=らとともに、感染症情報をインターネットで共有する「学校欠席者情報収集システム」を開発。出雲市の小中学校に導入するなどつながりが深い。

 今回のオンライン教材も現在、同校PTA会長を務める杉浦さんとの協議を経て完成。新型コロナの概要や、コロナを巡る日本や世界の動き、過去の感染症の歴史などをクイズ形式にして、同校のホームページにアップした。さらに、生徒たちのクイズの結果を基に、詳しい解説も施した。「正しい知識や感染症と人類の戦いの歴史を伝え、差別や偏見のない世の中にしたい」との思いを込める。

 座談会には、1年生から補習科の生徒約25人が参加した。大日主任研究官は、厚生労働省に科学的根拠などを示すという感染研の役割を紹介。「5月中旬ごろから再び感染者が増えている。第1波はまだ終わっていない」と現状を分析し、注意を促した。

 質疑応答では生徒が「マスクは本当に有効なのか」と質問し、大日主任研究官は「有効だが、長丁場になるので、しなくていい場面を共有するべきだ。お互いの距離を保ち、試験中など会話の必要がない時は、する必要はない」と答えた。

 医学部に進学志望の森脇結唯さん(18)=3年=は「受験生なのでコロナは怖いけど、教わったことを生かして上手に付き合いたい」と話した。

2020年6月26日 無断転載禁止