「小泉八雲、妖怪へのまなざし」開幕

小泉八雲と故・水木しげるさんが描いたイラストに見入る来場者=松江市奥谷町、小泉八雲記念館
 松江ゆかりの文豪・小泉八雲の生誕170年と来日・来松130年を記念した企画展「小泉八雲、妖怪へのまなざし」が27日、松江市奥谷町の小泉八雲記念館で始まった。代表的な怪談作品の題材となった書籍など約60点を展示。八雲の超自然的な世界観や創作の舞台裏に迫る。2021年6月6日まで。

 八雲の怪談作品には、昔話や伝説を現代的に表現し直した「再話」の手法が用いられている。約2400冊に上る蔵書を読み、妻・セツが語る昔話から着想を得たとされる。蔵書は富山大学付属図書館に「ヘルン文庫」として残されており、原話からどのように想像力を働かせて執筆したのか、創作課程を知る大きな手がかりとなっている。

 企画展ではそのうち、江戸時代から明治初期の和装本約20点を同図書館から借りて展示。八雲の「怪談」(1904年)では「ろくろ首」は、原話となった「轆轤首■念却報福話(ろくろくびきねんかえってさいわひをむくふくはなし)」(注=■はリッシンベンに希)(「怪物輿論(よろん)」、1803年)と同様、胴体と離れた頭が飛ぶ妖怪として登場するが、八雲自身は別の作品の中で、現代のイメージに通じる、首が長く伸びる妖怪としても描き、違いが興味深い。QRコードから、さまざまな物語のあらすじも読める。

 企画展は広島県三次市の「湯本豪一記念日本妖怪博物館」、境港市の「水木しげる記念館」との交流事業で実施。八雲と漫画家・故水木しげるさんがそれぞれ描いた「海坊主」など、妖怪の絵や江戸期の妖怪絵巻も楽しめる。

 小泉凡館長(58)は「八雲が妻から昔話を聞いた話は有名だが、和装本には挿絵があり、蔵書の絵からもヒントを得たことが分かる。QRコードは初の試み。活用して楽しんでほしい」と来場を呼び掛ける。

 この日は八雲の生誕日でもあり、同じ誕生日の来場者に記念品が贈られた。期間中も6月27日生まれの人には記念品を贈る。入館料は大人410円、小中学生200円。

2020年6月28日 無断転載禁止