島根県内の貸し切りバス業者 38社中7社が収入ゼロ

はつみ交通が企画した日帰り旅行で、バスの乗車前に検温を受ける参加者=松江市内
 新型コロナウイルスの影響で、島根県内のバス業者38社のうち7社の貸し切りバスによる収入が4、5月はゼロだったことが、県旅客自動車協会(大谷厚郎会長)の調査で分かった。団体旅行が相次いでキャンセルされ、学校の遠足や部活動での利用も入らなかったことが原因。このままでは地域の足がなくなりかねないと、県は各種助成制度を設けて需要喚起を進める。

 調査は協会加盟の全126社のうち、貸し切りバス事業を担う38社を対象に実施。38社全体の貸し切りバスの収入は4月が前年同月比75.7%減の5792万6千円、5月が同83.2%減の5481万2千円まで落ち込んだ。無収入は4月が9社、5月が14社で、このうち7社は2カ月間収入がなかった。

 同協会の秦日出海専務理事は「タクシーや路線バスを兼業してない会社は特に厳しい」と指摘。加盟社から廃業の声は上がっていないものの「影響が長引けば(廃業が)出かねない深刻な状況だ」と不安視する。

 状況の打開に向け県は支援策を用意。貸し切りバスを使った県内旅行を企画する旅行会社に対し、バス1台につき県内が出発地の場合は1泊10万円、日帰りは5万円を助成し、県外が出発地の場合は1泊3万円、日帰り1万5千円を支払う。助成を活用した安価なツアー造成が可能となる。

 視察、研修、遠足、冠婚葬祭、イベントにも利用できる運賃補助制度も新設。県は県民向けのプレミアム付き「宿泊券」と「飲食券」を発行しており、県観光振興課の清水寛之課長は「団体で遠出する際には、バスをぜひ使ってほしい」と呼び掛ける。

 県内事業者からは支援策を活用する動きが出ており、はつみ交通(松江市八束町二子)は7日、貸し切りバスで出雲市を巡る日帰り旅行を実施。参加した松江市内の70~80代の女性11人が乗車時に検温を受け、アルコール消毒を行った上で、感染予防のシートが張られたバスに乗り込んだ。

 同社は6月も貸し切りバス収入がなかった。営業部の赤松祐樹さん(37)は「感染予防はやっているので安心して利用してほしい。何とか客足が戻ってくれれば」と期待している。

2020年7月10日 無断転載禁止