島根県立大生がコロナ感染 封じ込め、時間との闘い

立ち入り禁止の張り紙が掲出された島根県立大出雲キャンパス=15日午前10時2分、出雲市西林木町
 島根県立大出雲キャンパス(出雲市西林木町)に通う女子学生の新型コロナウイルス感染が判明し、県と大学が15日、教職員や学生約600人を対象にしたPCR検査に着手した。キャンパスを閉鎖し、短期集中で市中に感染が広がっていないことを確認する狙いだが、感染源とみられる東京都内から帰県して既に1週間以上が経過。学外にも調査の範囲は広がりを見せている。

 県立大の清原正義理事長兼学長は14日深夜に松江市殿町の県庁で開いた記者会見で、出雲キャンパスの学生491人と教職員83人にPCR検査を受けるよう促すことを表明。丸山達也知事も「濃厚接触者かどうかを問わず、全てに呼び掛ける」と語気を強めた。

 翌15日午後、閉鎖されたキャンパス内で医師資格を持つ教職員も加わり、検体採取がスタート。県内の1日当たりの検査能力は約90検体で、順調に対象者の協力が得られれば1週間程度で検査を終えられるとみられる。県は必要に応じて鳥取県への支援要請も視野に入れており、これまでの県内の感染事例よりも踏み込んだ「特別な対応」で臨む構えだ。

 一方、学生にとってキャンパス閉鎖の影響は小さくはない。看護栄養学部のある女子学生は「まだオンライン授業がほとんどで学校に行く必要がなかったので不安はあまりない」と冷静に受け止めたものの、中には就職試験を目前に控える学生も多い。試験対策や今後の資格習得に必要な病院実習などが当面は取りやめになり、教職員宛てに今後の見通しを問い合わせるメールが届いているという。

 それでも、学内活動の全面停止という厳しい一手に出たのは「(学外への)感染拡大を防ぐのが最も重要だ」(清原学長)とした大学側の強い意向だった。

 奏功するかどうかは、保健所が行う今後の疫学調査の進展が鍵を握っている。県は15日夜時点で女子学生の行動履歴について新たな発表をしていないものの、出雲市内のホームセンターが今月8日と12日に勤務していたことを明らかにした上で臨時休業を公表。県も情報は把握しており、検査対象者が市内の広範囲に及ぶ兆しもある。市民の安全と平穏な大学生活を確保するため、時間との闘いになっている。

2020年7月16日 無断転載禁止