頼もしい「エール消費」

 「リベンジする」とは、スポーツの試合などで敗れた相手に再挑戦する、雪辱を果たすといった意味合いでよく使われる。一方で英語の「Revenge(リベンジ)」を訳すと、怒りや憎しみの感情を持った復讐(ふくしゅう)となる。ドラマ『半沢直樹』の「やられたらやり返す、倍返しだ!」の決めぜりふがしっくりくる▼では、こちらの意味するところは。「リベンジ消費」なる言葉があるのをニュースで知った。コロナの抑制生活の反動で爆発的な消費行動に走る現象で、屈辱でも恨みでもなく憂さ晴らし。「報復性消費」という中国で生まれた新語で、報復相手が誰なのかは関係ない。消費意欲が旺盛なこの国らしい▼日本も経済活動の再開に合わせて、倍返し、百倍返しの消費回復に期待したいところだが、感染再燃の返り討ちを怖がるあまり足取りは鈍い。ただここまでの険しい道のりを振り返ると、爆買いほどの勢いはないまでも地域の店を買い支えようとする消費行動は広がった▼4月中旬、苦境に立つ松江市内の飲食店が手を携え、スーパーみしまや4店で始めた弁当の出張販売もそうだった。1カ月半の間に飲食店22店が参加。「頑張ってください」と励ましの言葉とともに積み上がった弁当の売り上げは1700万円余り▼相手が見える「リレーション消費」、または「エール消費」とでも言うべきか。その力は頼もしく、決して小さくない。(史)

2020年7月16日 無断転載禁止