宿泊取りやめ相次ぎ落胆 8月空室残る異例の事態

電話で予約の問い合わせを受ける松乃湯のスタッフ=松江市玉湯町玉造
 国の観光支援事業「Go to トラベル」が22日に始まるのを前に、山陰両県の宿泊施設で予約キャンセルが相次いでいる。除外された東京都の客以外にも取りやめの動きは拡大。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない状況で旅行ムードはしぼみつつあり、需要回復を期待していた宿泊業者からは落胆の声が上がる。

 玉造温泉の松乃湯(松江市玉湯町玉造)では東京の除外が発表された16日以降、キャンセルが目立ち始めた。8月の予約で東京以外の客からも「最近感染が拡大しており、時期を改めたい」といった声があるという。

 感染対策として利用できる部屋数を半減しているにもかかわらず、かき入れ時の8月に空室が出ている状況。松崎滋会長は「直前になっても事業の全容がわからず、利用客も不安を抱えているのでは」と推察し、「国は丁寧に説明してほしい」と注文した。

 玉造温泉旅館協同組合によると、加盟施設で例年6月ごろには埋まる8月の盆期間の予約が今年はキャンセルもあり、いまだに空きがある異例の状態だ。

 三朝温泉の三朝館(鳥取県三朝町山田)は、既に約100件のキャンセルが入った。沖田雅浩社長は、東京除外の直接的な影響というよりは「感染の再拡大に伴う全国的な旅行ムードの冷え込みが原因」とみる。先行きが見通せず、「8月以降の予約は前年の半分程度しかない」と肩を落とした。

 21日に東京などから10件超の予約取り消しがあった皆生温泉の旅館「いこい亭菊萬」(米子市皆生温泉4丁目)。柴野清社長は、キャンセル料が発生する前に早めに計画を取りやめる動きが出ているとし、「国の方針が二転三転しているため、キャンセル料が本当に補償されるのかどうか分からない心配もあるだろう」と話した。

2020年7月22日 無断転載禁止