夏場の合宿、コロナで中止 「GoTo」期待できず

合宿の宿泊者らの安全確保のために設置したアクリル板=浜田市金城町久佐、森の公民館
 夏場に盛んになるスポーツ合宿が新型コロナウイルスの影響で中止となり、受け入れる宿泊施設が頭を抱えている。感染が再拡大し始めた7月以降、島根県内の施設ではキャンセルが続出。追い風になると期待した政府の観光支援事業「Go To トラベル」は、若者の団体旅行が「控えてもらう」対象となり、呼び込みにも打って出られない状況に陥っている。

 「リピーターも増え、順調だっただけに残念だ」。浜田市金城町久佐の宿泊研修施設「森の公民館」を指定管理するサウンドファイブ夢の音会の河野文影代表は、7月に立て続けに入った4件のキャンセルにやりきれなさをにじませる。

 夏休みの7、8月は小学生のサッカーチームや大学のサークルの合宿に伴う宿泊が増えるが、今年は8月に1件の予約があるのみ。宿泊客の安全を確保しようと飛沫(ひまつ)防止用のアクリル板や空気清浄機などを購入したため、出費だけが増えた。「この状況は2年程度は続くと思う。宿泊以外の収益源を考えないといけない」と嘆息する。

 合宿誘致に注力する浜田市は、延べ宿泊者数が10人以上などの条件を満たせば、1人1泊最大1500円を助成する支援策を展開しているが、前年度96件あった利用実績が本年度は7月までの申請で9件にとどまる。

 誘致活動に取り組む市広島PRセンター(広島市)の高木圭子センター長は「Go To」の曖昧な基準に困惑。団体の人数や年齢の線引きが明確になっておらず「対象外となる可能性もある中で、怖くて積極的に営業もできない」とこぼす。

 湯の川温泉(出雲市斐川町学頭)で合宿プランを売り出している宿泊施設「四季荘」も厳しい状況は同じで、小学生や中学生などの合宿で7、8月に40件以上あった予約がほぼ全てキャンセルになった。

 福島健治社長は「保護者が心配しているケースが多いようだ。新型コロナの流行が続くことを見据え、安心してもらえる対策が必要なのだが」と話した。

2020年7月30日 無断転載禁止