大田・プラザホテルさんべ廃業 コロナで打撃

30日付で事業停止した「プラザホテルさんべ」=大田市大田町
 新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化が引き金となり、廃業するケースが島根県内で出ている。大田市中心部の宿泊施設「プラザホテルさんべ」(大田市大田町)が、回復の見通しが立たないとして30日に事業停止し、運営するプラザホテル三瓶(同)も同日付で解散した。コロナを受けた休廃業・解散は全国で相次いでおり、山陰両県でも今後増える可能性がある。

 1977年に開業したプラザホテルは宿泊15室にレストラン、会議・会食場を備え、観光客やビジネス客のほか、婚礼や宴会利用で市民に親しまれてきた。

 しかし、コロナの感染拡大を受け2月以降、予約キャンセルが続出。4、5月は宴会や歓送迎会の利用がほぼゼロとなり、一時休館したという。

 平木陽三社長は「思い入れのある施設であり非常に残念だが、コロナの収束が見通せない中で営業継続は難しいと決断した」と説明。債務はなく「倒産せずにきれいに清算する道を思い切るのが一つの方法だと考えた」と話した。パートを含む従業員8人は解雇となり、跡地利用については協議を進めているとした。

 東京商工リサーチ松江支店によると、近年の売上高は8千万~9100万円で推移していた。コロナを理由にした宿泊施設の閉館は島根県内で初めて。

 コロナで業績が悪化し、政府の無利子融資などを利用する企業が多い一方、先が見通せず廃業を選ぶ事例も全国で相次いでいる。

 同社調べで、2019年の全国の休廃業・解散件数は4万3348件で、うち島根は205件、鳥取は208件。20年は5万件を超えると予想している。

 近藤隆司松江支店長は、島根県内でも前年を上回るペースで増えているとし、「後継者不足の問題もあり、負債が膨らんで行き詰まる前に畳む決断をする企業は今後さらに出てくるだろう」と地域経済への影響を危惧した。

2020年7月31日 無断転載禁止