ネット選挙

 少し期待していた。過去最低を更新した19日投開票の益田市長選の投票率が、上がる可能性を考えてのことだ▼現職、新人を合わせて初めて3人が立候補。新型コロナウイルスの影響で「密」を避けるため、集会で候補者の訴えを聞く機会はあまりなかったが、国会の「検察官の定年延長」問題への抗議がインターネットで広がったように、ネットを通じて一人一人の関心が高まることはあり得るように思えた▼有権者でなくてもパソコンで候補者の名前を検索すれば、それぞれの訴えを聞くのは簡単。実績や構想の羅列で終わる街頭演説では物足りない政策の中身とともに人柄や姿勢も感じることができ、あらためて有用性を実感した▼ただ、話はそう簡単ではない。投票率は高齢化が進む周辺部は高い半面、中心部は低い、いつもの傾向だった。必要なのは、投票行動につながる動機付けとともに仕組みだろう。国内のコロナ感染が「過去最多」を記録し続ける中、ネット投票の議論は一刻も早く進めるべきではないか。実現すれば、教育現場でタブレット端末配備が進むように、高齢者宅や集落単位などにも端末を貸し出し支援ができないか▼あれこれとコロナ禍によって起こる「前向きな転換」を考えている。その一つがネット選挙の進展なら、個人的に不承不承受け入れつつあるパソコンやスマートフォンで回る暮らしをもう少し認めてもいい。(吉)

2020年7月31日 無断転載禁止