女子ログ 堀川のカメ

 久しぶりに用事があって、松江市内の堀川のほとりを歩いていた。信号待ちの間、何げなく水面を見ていたら、堀川の中央部に何かがモゾモゾと動いているのに気付いた。よくよく見ると、カメが足をゆっくりと動かしながら泳いでいた。

 もちろん松江城の近くなどの堀川でカメを見たことは何度かある。でも、堀川のど真ん中を泳いでいるのを見るのは実は初めてだった。待っていたはずの信号機は何度か青になったのだが、そんなことは忘れて、しばらくの間、泳ぐ姿に見入ってしまった。

 このとき梅雨は明けてはいなかったが、暑さが少しずつ気になり始めた頃だった。そんな時節にカメは水の中をゆったりと泳ぎ、時折息を継ぐため顔を出していた。「ああ、気持ちよさそう…」。堀川の水温って、カメにとってはどんな感じなんだろう。変温動物って暑さはどうなのかな? どうでもいいことだが、疑問は次々浮かんできた。

 堀川にいるカメの多くはもともとペットとして飼われていた外来種。お祭りの露店で見掛けたミドリガメなどが、飼育放棄されたそうだ。今では日本に前からいる種類を守るため、除去が進められていると聞いたことがある。ただ、このときの私にとっては暑さを和らげてくれる癒やしの存在だった。

 (松江市・マッシュポテト)

2020年8月1日 無断転載禁止