宝の持ち腐れ

 <高級なけしょう品 一てきずつ>。3年前、小学3年の女の子さくらこちゃんが作ったオリジナルことわざの一つだ。「いくら高くても、少しずつ使ったら意味がない」という解釈。「宝の持ち腐れ」に通じるだろう。化粧をする母親を鋭く観察する姿を想像すると、クスッと笑える▼<手つだいがこうかいにかわる>は「1回手伝ったら、たくさんやらされた」という意味。本人は知らなかったようだが「庇(ひさし)を貸して母屋を取られる」にどこか似ている▼ことわざを作ったきっかけは、夏休みの宿題の日記を書くのが面倒くさくて「ことわざにすれば短くて済む」と思ったから。母親が会員制交流サイト(SNS)で紹介すると話題を集め、複数の出版社から書籍化の依頼が殺到。その後、1年半かけて100個以上のことわざを考え、昨年3月に『さくらこ式 自分ことわざじてん』(ライツ社)が出版された。何が”大化け”するかは分からない▼先日、小6になったさくらこちゃんがテレビ番組に出演し、難しいことわざや四字熟語を使ってけんかをふっかけてくる二つ上の姉に「ムカついて作った」と振り返っていた▼山陰両県の小学校もやっと夏休みに入った。これから宿題の自由研究に手を付ける子も多いだろう。大人目線で「つまらない」と決めつけ、子どもの自由な発想をつぶしてしまっては、それこそ「宝の持ち腐れ」になりかねない。(健)

2020年8月2日 無断転載禁止