被爆者の証言、語り継ごう 会員増願い会報誌、大幅増刷

増刷した会報誌を手に、新規入会者の増加を願う松浦広昭会長(右)
 6日、75年の節目となる広島原爆の日を迎えた。県被爆二世の会(松浦広昭会長、119人)が会に新たな息吹をもたらそうと、年1回発行する会報誌「語り継ごう未来へ」(A4判カラー、4ページ)を大幅に増刷した。会員たちは県内にいる被爆2世の人に、会の存在を気付いてもらうだけでなく、3世、4世という若い世代が過去の惨事に目を向け、被爆者の証言を継承することを願っている。

 同会は被爆体験者が少なくなる中で、平和と核兵器廃絶の訴えを、世代を超えて伝えようと2008年に結成した。会報誌の発行のほか、2世へ健康手帳の交付、医療費助成を行政に要望している。また、松江市学園南1丁目の市北公園内にある慰霊碑の清掃活動や1世から聴いた被爆体験を、若い世代に伝える活動にも取り組んでいる。

 これまで、会報誌は300~400部を発行してきたが、今年は千部に増刷した。松浦会長(71)は「被爆者が亡くなったら終わりではなく、2世が継いでいかなければならない。そのためにも、まずは会員を増やしたい」と考える。

 同会は昨年、県原爆被爆者協議会と合同会議を開いた。県内被爆者の平均年齢が90歳近くとなり、遠くない将来に同協議会の運営を二世の会が引き継ぐ必要性が議題となった。

 特に被爆者の高齢化による記憶の風化が喫緊の課題で、「実際に体験した被爆者と違って、後の世代は意識が薄くなる」といい、証言の継承に必要な被爆体験の聴き取りを急ぐ必要に迫られているという。

 増刷した会報誌は保健所に依頼して県内の被爆者に発送。同居する2世が手に取ることを期待している。

 松浦会長は「私たち自身もだいぶん年を取った。今後3世、4世に頼るしかない」とし、新しい世代も活動に引き込めないか、考えを巡らせている。

2020年8月6日 無断転載禁止