コロナ禍の夏熱中症に苦心 マスク着脱、臨機応変に

作業現場の気温を確認する従業員=松江市古志原6丁目、真幸土木
 厳しい暑さが続く中、炎天下や熱気がこもる工場で働く従業員の熱中症予防に島根県内の企業が例年に増して気を使っている。今夏は新型コロナウイルス対策のマスク着用により熱中症のリスクが高まり、着脱のルール作りや見回りの強化など感染症と熱中症の両面で対策に苦心する。

 3日昼前、真幸土木(松江市古志原6丁目)が請け負う松江市内の舗装工事の現場で、温度計の気温は33度、熱中症警戒度を示す暑さ指標(WBGT)は厳重警戒の28度を表示した。岩崎剛現場責任は「梅雨明け以降、気温がぐんぐん上がっている」と汗を拭った。

 空調作業服や遮熱ヘルメットの支給、休憩用テントの設置など例年の熱中症対策に加え、6月に新型コロナ感染予防のための社内ルールを策定。屋外での作業時のみマスクの取り外しを認め、現場で一緒になる他社にも了解を得るようにした。片寄敏朗社長は「感染症と熱中症の両方が出ないよう神経をとがらせている」と気を引き締める。

 警備会社のケイショウ(出雲市平野町)は6月、熱中症や感染予防に役立ててもらう目的で社員1人当たり5万円(パート3万円)の「コロナ禍精励金」を150人に支給した。さらに警備員の制服は小型ファン内蔵の空調服に変え、警備業務中はマスクを外すよう指導。体調不良者が出た場合に備え受注も抑制した。安田寿道常務は「コロナでイベント警備が軒並み中止になるなど厳しいが、従業員が倒れては元も子もない」と悩ましげに語る。

 工場内で3密回避の対応を迫られる製造業。最大30人が工場内で作業する金属加工の協栄金属工業(雲南市掛合町掛合)は4月以降、全従業員のマスク着用を実施している。

 大型機械や溶接作業で出る排熱を逃がすため、扇風機やクーラー計70台を稼働させ、気温30度を超える日は30分に一度、管理職が従業員の様子を見て回る。製造部の小林大治部長は「マスクで顔が見えないため、例年以上に注意している」と話した。

2020年8月12日 無断転載禁止