描かれた風景残る、中心市街地を紹介 倉吉まち歩きマップ

完成した「遥かな町へ」倉吉まち歩きマップ
 2017年2月に亡くなった鳥取市出身の漫画家・谷口ジローさんの作品を活用した「倉吉まち歩きマップ」が完成した。倉吉市を舞台にした作品「遥かな町へ」の口絵イラストと、漫画のこま計22点を載せ、描かれた風景の残る中心市街地を紹介している。谷口さんが緻密な筆致で描き、世界に発信したレトロな街並みの魅力を再認識できそうだ。

 鳥取県中部総合事務所が制作した。当初、まんが王国鳥取が誇る3巨匠の谷口さん、境港市出身の故・水木しげるさん、北栄町出身の青山剛昌さんそれぞれのゆかりの地を巡るウオークイベントを6月に計画していた。新型コロナウイルスの影響でイベントは21年に延期したが、先に倉吉まち歩きマップが完成した。

 マップは白壁土蔵が立ち並ぶ玉川沿い、昔ながらの商家が残る魚町周辺といった4地区が描かれたこまをふんだんに配置。マップを手にして歩き、実際の風景と見比べられる。4地区の観光スポットも紹介した。縦32センチ、横45センチ、両面カラーで八つ折り。3千部を印刷し、JR倉吉駅内観光案内所などで無料配布している。

 谷口さんは鳥取市が舞台の「父の暦」「魔法の山」も描き、観光振興に生かそうとの声は関係者の間に以前からあった。

 同事務所地域振興局の江原修局長は、19年春まで務めた県まんが王国官房長時代から構想。倉吉市への県立美術館建設が決まり、来館者にまち歩きを促す仕掛け作りのため満を持してマップを作った。「谷口さんの作品は風景が主人公のように存在感を持っている」と誘客効果に期待する。

 こうした動きに鳥取市も連動し、同市版まち歩きマップ制作を計画。12月完成に向け準備を進めており、谷口さん顕彰の機運が再び盛り上がりそうだ。

2020年8月14日 無断転載禁止