子どものストレス注意を いつもと違う夏休み明け

今夏は親族や地域の人と会う機会が減ったという家族。家で映画を見る機会が増えた=鳥取県大山町内
 新型コロナウイルスの感染拡大で短くなった夏休みが、子どもたちの心に暗い影を落としている。いつもなら祭りや海水浴、家族旅行など楽しい思い出で彩られるはずが、「3密」回避や旅行自粛を強いられ、自宅に閉じこもりがちとなり、ストレスを抱えたまま2学期を迎える子どももいる。多くの学校が2学期の始業式を迎える中、専門家は「生活リズムが変化する休み明けは注意が必要」と警鐘を鳴らす。

 「不安のスイッチが入りやすくなった」。小学3年生の次女(8)を持つ鳥取市の母親(43)は心配顔で話す。

 授業時間の確保や感染拡大による臨時休業に備え、山陰両県では多くの自治体が夏休みを短縮。鳥取市も例年より9~14日程度(土日祝日を含む)短くなり、小学校は25日から始まる。

 次女はもともと家で過ごすことが多いが、同市内で中学生の新型コロナの感染者が確認された7月31日以降、家に友達を呼ぶ機会が減り、インターネットをして過ごす時間が増えたという。連日のように流れる新規感染確認の報道に過敏に反応することも。

 母親は「ニュースを見て子どもなりに危機感を強めたのだと思う。子どもの方から、私たち家族にマスクの着用や手洗いをこまめにするよう注意するようになった。夏休み明けの学校での集団生活に順応できるか心配」と話した。

 3人の子どもを持つ鳥取県大山町の父親(39)は「地域行事が中止になり、人とのふれあいが減った」と話す。小学3年生の長女(9)は今夏、親族を訪ねる東京への一人旅を計画していたが断念。思い出となるはずのチャレンジがなくなった。プール遊びやキャンプでストレスを発散させているものの、長女は「いつもの夏休みの方が楽しい」とこぼした。

 目に見えないウイルスにおびえ、環境の変化に戸惑う子どもたち。心身への影響はどうか。

 国立成育医療研究センター(東京)が6月15日~7月26日、全国の小中高生を対象に実施したインターネット調査によると、「今も困っていること」の質問に、全体(912人)の72%が「コロナのことを考えると嫌な気持ちになる」「最近、集中できない」などと回答し、ストレス反応を示した。

 調査した半谷まゆみ研究員は「新しい生活様式、休校期間の遅れを取り戻そうとするカリキュラムへの不適応などがストレッサーになっている可能性がある」と分析。影響は今後も続くと予想し「ストレス反応が慢性化しないよう見守る必要がある」と呼び掛ける。

 子どもや保護者からのコロナに関する相談を受ける鳥取県教育委員会いじめ・不登校総合対策センターの平山晋治次長は「子どものストレス反応はさまざまで日によっても違う」と指摘する。夏休み明けに、子どもから個別に話を聞く教育相談をする学校もあるといい「子どものわずかな変化に気付くことが重要」と話した。

2020年8月24日 無断転載禁止