サーモグラフィーに弱点 猛暑で「高熱」誤判定相次ぐ

外気の影響で、平熱の人を39・1度と判断するサーモグラフィーカメラ=松江市千鳥町、なにわ一水
 体温が40度!?。発熱の可能性がある人を瞬時に確認できることから、新型コロナウイルス対策で導入が広がるサーモグラフィーカメラの弱点が、連日の猛暑で顕在化している。カメラが外気で高温になった体の表面や服、持ち物を検知するため、実際は平熱でも「高熱」として反応する。導入した旅館ではアラームが作動し、客に別の方法で検温を求めるケースが相次いでおり、”誤作動”は残暑が和らぐまで続きそうだ。

 サーモグラフィーカメラは体温計と異なり正確な体温測定はできないが、体の表面温度を検知し、設定温度以上の人が通過した場合は警告音で知らせる機能がある。対人接触を避けるとともに大勢の人を一度に検知できるメリットがある。山陰両県では主に松江しんじ湖温泉、玉造温泉、皆生温泉の旅館で導入が進む。

 松江しんじ湖温泉の「なにわ一水」(松江市千鳥町)は、新型コロナ対策を徹底するため6月に導入した。目安の37.5度を超えるとアラームが鳴る仕組みだが、7月に入ってから頻繁に鳴り響くようになったという。

 日照で上昇した皮膚の表面温度のほかに、熱を蓄積したスーツやカバンにも反応しているといい、高い時で39~40度を示すことがあるという。伊藤晶弘社長室長は「お客さまも驚かれる。まだまだ暑いので、この状況は続きそう」と苦笑いする。

 今月に導入したばかりという鳥取空港ビル(鳥取市湖山町西4丁目)では、国内線の到着客を対象に検温しているが、機内や施設内にエアコンが効いている影響からか、「高熱」反応は出ていないという。

 サーモグラフィーカメラを扱う計測器の総合商社「東洋計測器」(東京都)やメーカーによると、もともとは部品や機械の温度差、熱源を把握する用途で開発されたという。近年は体表を検知する機能が加わり、コロナ禍により検温目的での普及が進んだ。

 東洋計測器の担当者は「あくまで表面温度を測るもので、夏場の体温測定は得意としていない」と説明。逆に冬の外気で発熱した人が「平熱」と判断される可能性もあるといい、「時間をおいて測るといった対応をしてほしい」と話している。

2020年8月25日 無断転載禁止