駆除イノシシを加工食品に 農家や猟友会の悩み解消

害獣を捕獲するためのおりを設置する森脇香奈江さん(左)と佐藤朋也さん
 松江市で地域おこし協力隊員だった2人が起業した合同会社「弐百円」(松江市西川津町)が、市内で捕れたイノシシ肉と梅の加工食品を全国に売り込んでいる。2人は狩猟免許を取得し、農家の畑を荒らす鳥獣を捕獲する同市の「鳥獣被害対策実施隊」としても活動。「捕獲した命を無駄なく消費して、農家や猟友会の悩みを解消したい」と事業に励んでいる。

 「弐百円」は、2016年春に松江市の協力隊1期生に就任した佐藤朋也さん(44)=大阪府出身=と、森脇香奈江さん(39)=浜田市出身=が18年11月に立ち上げた。

 協力隊時代、鳥獣被害に悩む農家、高齢化と後継者不足を懸念する猟友会、イノシシ肉の販路に悩む生産組合の課題を知った。ハンターが人手不足のため、捕獲した鳥獣をその場に埋葬せざるを得ないケースが多いことから、2人は狩猟免許を取得した上で、イノシシ肉を活用した特産品の開発を提案した。

 八雲猪肉生産組合(松江市八雲町熊野)の施設で処理したイノシシ肉を、県外の業者にジャーキーやフランクフルト・ソーセージへの加工を依頼。八雲町内のイベントで販売するほか、ネット通販、温泉施設「ゆうあい熊野館」でも販売している。町内で梅を栽培するNPO法人・むらの駅やくも(山崎正幸理事長)の活動にも参加し、収穫された梅の実を梅酒やシロップ用に加工して出荷している。

 また、鳥獣被害対策実施隊として、松江市を通じて農家からあった要請に応じて捕獲作業に携わるほか、農家におりや柵の設置方法を指導する役割も担う。

 2人は「まずは特産品の存在を地元の人に広く知ってもらいたい」と加工品の普及を願い、狩猟について「今後も先輩猟師の技術を学びながら、楽しんでやっていきたい」と展望を語った。

2020年9月1日 無断転載禁止