文化の巨人に思いはせ 吉田璋也の特別展

柳宗悦宛ての手紙など資料を前に吉田璋也の足跡を語る木谷清人常務理事=鳥取市栄町、鳥取民芸美術館
 鳥取市の民芸運動指導者・吉田璋也(1898~1972年)の足跡をたどる特別展が5日、同市栄町の鳥取民芸美術館で始まった。師と仰ぐ柳宗悦(1889~1961年)に触発されて新作民芸運動を展開し、鳥取砂丘の保存運動にも尽くした文化の巨人に来場者が思いをはせている。来年3月7日まで。

 同館によると、璋也は医学生だった1920年に宗悦と出会い、26年に宗悦が起こした民芸運動に参加。31年に牛ノ戸焼(鳥取市)の染分皿を手掛けたのを皮切りに、工人を指導して新たな民芸を作る新作民芸運動を鳥取で起こした。

 資料約200点を展示。宗悦に送った手紙では建築や家具に関して「良いデザインがあれば送ってくれ」と助力を求めており、同館の木谷清人常務理事は「民芸をデザインする考え方を宗悦と共有していた」と説く。

 戦中に軍医として中国に渡ると、除隊後しばらく滞在し、現地で新作民芸運動に励んだ。宗悦への手紙では「中国で素晴らしいのは建築と家具だと思う。この方面を研究したい」と旺盛な意欲を見せている。

 特別展は同館と鳥取県が企画。入館料は一般500円、大学生300円、高校生以下無料。水曜休館。同館とともにJR西日本の豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」の乗客の立ち寄り先になっている木造建築・旧吉田医院(鳥取市瓦町)もこの日から11月8日まで特別公開。璋也の感性が反映された建物や備品が来場者を魅了している。

2020年9月6日 無断転載禁止