「スガをどう思う?」

 「スガをどう思う?」。今から13年前、第1次安倍政権の時の話だ。旧自治省時代から内政畑を取材してきた在京の記者OBに聞かれたことがある。旧知の総務省の課長を交えた懇親の場だった。当時の菅義偉総務相の評価が気になったようだ▼このOBは秋田県の出身。自分と同郷ということもあり、初入閣した「苦労人」大臣の手腕に注目し、期待している様子だった。中でも強調したのは「ふるさと納税」創設の先頭に立っていた点。地方の疲弊に歯止めをかけてくれそうな政治家を見つけたかったのだろう▼当時は予想もしていなかった菅新首相が誕生した。71歳での就任。政治家の運命は分からないものだ。第2次以降7年8カ月に及んだ安倍政権で、要となる官房長官を務め、官僚操縦の「つぼ」を押さえたとされる。定例会見では隙を見せず、しゃべり過ぎず。半面、面白みには欠ける印象があった▼実務の全般を仕切る「大番頭」と、選挙の際などに国民への発信力が問われるトップでは役回りが違う。「令和おじさん」を契機に、演じ方を変えるのかどうか▼注目された新内閣の顔触れが決まり、焦点の官房長官には祖父が島根県議などを務めた加藤勝信厚生労働相を、新たに力を注ぐ行政・規制改革の担当相には河野太郎防衛相を起用。手堅さの中に、したたかさがのぞく布陣にした。見据えているのはコロナ対応か解散総選挙か。(己)

2020年9月17日 無断転載禁止