島根出身日本画家・永岡さん、川崎さん 2年ぶりに合同展

2人展を開いた永岡郁美さん(左)と川崎麻央さん=東京・銀座、かわべ美術
 日本画壇に身を置く「戦友」の2人展が再び-。高校時代に偶然出会い、ともに東京を拠点に日本画家として活躍する出雲市出身の永岡郁美さん(33)=多摩美術大職員=と、益田市出身の川崎麻央さん(33)=東京芸大職員=が、東京・銀座のギャラリーで作品展を開いた。互いの画風に刺激を受けながら切磋琢磨(せっさたくま)して新進気鋭の作家として注目を浴び、今回の展示を機に創作意欲をさらに燃やしている。

 芸術大への進学を目指して通った名古屋市内の画塾で出会い、その後1年間の浪人時代もともに過ごした。永岡さんは多摩美術大、川崎さんは東京芸術大に進学。2011年に永岡さんが東京芸大内の研究所に入ったことから再会し、18年に初めて2人展を同じギャラリーで開いた。今月半ばに開催した今回は、2人がそれぞれ4号~20号の作品5点を用意した。

 淡い色合いのタッチが特徴で「Seed 山種美術館 日本画アワード2019」の奨励賞を受賞するなど活躍の幅を広げる永岡さんは、「島根」をテーマにシャインマスカットや「ほとんど初めて描いた」という神話の人物画などに挑戦した。

 実家で飼っていた牛をモチーフにした作品は、農家で育った幼少期の記憶をたどって描き「島根の生活はいろいろな意味で命との距離が近かった。創作を通じて、いつまでも自分の中に残っている感覚に触れることができた」と話した。

 神話を題材に、日本画の表現にとらわれない斬新な表現で「第75回春の院展」の最高賞・郁夫賞を獲得するなど注目される川崎さんは「何を描くかあえて決めずに」と、感性のまま紙に色を落とし込み、そこから逆算して形や構図をつくる手法にも挑戦した。

 石見神楽の「岩戸」に登場するタヂカラオノミコトは得意のコラージュを用いながら、剣を掲げる手のひらや跳び上がった際に見える足の裏などをあえて緻密に描写。「境目が曖昧になっているところを残しながら、手や足が持つかたちとしての強さを打ち出すことができた」と解説した。

2020年9月27日 無断転載禁止