大田・石見銀山へ修学旅行急増 コロナで県内校が旅先変更

ガイド(左端)から石見銀山遺跡の歴史を教わる高津小学校の児童たち=大田市大森町
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、島根県内唯一の世界遺産・石見銀山遺跡(大田市)が、県内小中学校の修学旅行先として思わぬ脚光を浴びている。子どもたちの感染を警戒し、各校が都会地から行き先を変更しており、旅行先としてほとんどなかった来訪が今秋は50校を超える。ガイド団体は「身近すぎて行く機会のなかった地域の魅力を伝えたい」と意気込んでいる。

 「江戸時代の最盛期にはこの一帯に20万人が住んでいたといいます」

 25日、銀山の中核地、大田市大森町内の駐車場から公開坑道・龍源寺間歩に向かう町並みで、地元組織「石見銀山ガイドの会」の案内に聞き入ったのは、高津小学校(益田市高津1丁目)の6年生60人。「そんなにたくさん?」「すごい」と感心する声が上がった。

 もともと広島県だった修学旅行の行き先を、コロナの影響を考慮し、県内のみのルートに変更。石見銀山を行程に入れた理由について大橋大校長は「近くに住んでいるため、かえって行ったことがない子どもが大半だった。県内にある貴重な遺跡をよく知ることは大事だ」と話す。

 石見銀山ガイドの会によると、9月下旬から12月上旬までの間に、修学旅行として銀山の案内を依頼した学校は、例年の4倍以上の64校。このうち51校がこれまでほとんどなかった県内の学校という。

 複数の学校の来訪が重なると、一般観光客の案内も含めると、40人近いガイドが必要になる日もある。会員数58人の同会にとってやりくりは容易でないが、安立聖会長(74)は「郷土の(魅力の)再発見につながればいい」と奮闘。間歩など「3密」となりやすい場所の案内では一人一人の距離を保つよう呼び掛けるなどの対策を取り、銀山の歴史を解説する冊子を無料配布して価値や魅力を伝え、関心の広がりに期待している。

2020年9月29日 無断転載禁止