財政調整基金残高、目標に届かず コロナで取り崩し

 島根県が29日、2021年度から5年間の財政見通しを示した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済対策の財源として、貯金に当たる「財政調整基金」を取り崩したため、24年度末の同基金残高は目標に届かない見込み。収支不足も年間16~22億円発生し、厳しい財政運営が続く。

 新型コロナの影響で経営悪化する中小企業者の資金繰りを支援する制度融資の財源として、20年度はこれまでに財政調整基金15億円を取り崩しており、同年度末の残高は170億円になる見込み。

 30年開催予定の国民スポーツ大会(現・国民体育大会)の運営費に充てるため、今後は毎年度9億円積み立てるものの、24年度末の残高は206億円で、中期財政運営方針(2020~24年度)で目標に掲げる220億円程度に達しないとした。

 同日の県議会地方創生・行財政改革調査特別委員会で説明した県財政課の井手久武課長は、目標修正について「検討課題だ。(新型コロナの)感染や決算の状況を踏まえ、方向性を定めていきたい」と述べた。

 県内企業数十社への聞き取り調査の結果から、新型コロナによる業績悪化で法人事業税が落ち込むと推計。21年度は県税全体で4億円程度の減収になり、その影響で18億円の収支不足が発生する見通し。

 22年度以降は新型コロナの影響は見込んでいない。ただ、25年度は歳入で臨時財政対策債を含む地方交付税が20年度比145億円減の1814億円、歳出では社会保障経費が44億円増の525億円などとはじき、収支不足は22億円に上ると推計した。

2020年9月30日 無断転載禁止