インフル予防接種開始 山陰両県自治体、助成拡大の動き

 インフルエンザの予防接種が1日、山陰両県各地で始まった。新型コロナウイルスの感染拡大の収束が見通せない中、同時流行を防ぐため、両県の自治体で接種費用の助成対象を広げる動きが出ている。ワクチンは全国的な需要の高まりで供給量が足りない恐れがあり、高齢者の優先接種を呼び掛けている。

 「周りに迷惑は掛けられない」

 浜田市金城町波佐の波佐診療所でこの日、人生で初めてインフルの予防接種を受けた植田義法さん(73)=浜田市金城町長田=が話した。

 新型コロナとインフルは、発熱など初期症状が似通って患者の判別が難しく、インフルの流行は、医療現場の負担増大に直結する。風邪をほとんどひかない植田さんも、今季は「自分だけの話ではない」と同診療所で注射を打った。

 医療現場の混乱を防ぐため、本年度から予防接種の助成を拡充する自治体は山陰両県でも少なくない。

 浜田市は、小学生以下や65歳以上に限定していた対象範囲を本年度、1歳以上の全市民に拡大した。助成額も、自己負担が1千円程度と手厚くした。

 島根県川本町と鳥取県日南町は生後6カ月、鳥取県岩美町は1歳以上の全町民が無料で受けられる。前年度と比べ、助成対象や額を拡充するのは、島根3市町村、鳥取6市町に上る。

 全国のワクチン量は6300万人分。厚生労働省は、25日までは重症化しやすい65歳以上の高齢者らが優先して受けられるよう国民に協力を呼び掛ける。

 開始時期も地域によって異なる。ワクチンは効力の持続性が5カ月程度で、接種が早すぎると、3月ごろの流行に効かない恐れがあるためで、鳥取県西部では各市町村と県西部医師会が協議し、19日に始めることを決めた。

 境港市健康推進課の永井卓真課長は「特に優先度の高い人は接種を受けてもらいたい」と呼び掛けた。

2020年10月2日 無断転載禁止