野島さん、安来節伝える コロナ対策取り学校公演

距離を保ちながら、どじょうすくい男踊りを教える野島優子さん(左)と福田美智子さん
 新型コロナウイルスの影響は、伝統芸能の継承にも影響を与えた。安来節保存会一宇川流どじょうすくい踊り師範、野島優子さん(51)=松江市東出雲町揖屋=は4月以降、公演依頼のない状態が続いた。活動を再開するため、自身の体調管理や行動履歴を2週間にわたって記録するといった厳格な対策を取って受け入れ側の学校に提案し、安来節の体験会を少しずつ再開している。

 野島さんは、どじょうすくい踊りで多くの人を喜ばせて健康にしようとボランティアの公演活動をライフワークにしてきた。小学校教諭の免許を持つことから、特に学校からの出張講座、体験会の依頼が引きをも切らない状態だった。新型コロナが流行して以降は、外部の人を校内に入れない方針にする学校が相次ぎ、依頼が途絶えた。

 野島さんも「もし何かあったら怖い」という思いはあったが、「コロナ禍でも子どもたちに学び続けてほしい」と実施方法を模索した。9月上旬、講座の開催を受け入れた松江市鹿島町佐陀本郷の佐太小学校で、新型コロナ対策を講じながら初めての講座を迎えた。

 講座には4年生18人が参加。野島さんと同じ一宇川流のどじょうすくい踊り3段、福田美智子さん(60)=安来市汐手が丘=も講師として加わった。

 2人は2週間前から体調管理と行動歴を記録し、児童が触れる銭太鼓は使用の前後に消毒した。参加者全員の間隔を広く取り、前に立つ際はマスクやマウスシールドを着用した。生の演芸を見た子どもたちは大盛況となり、恒松香花さん(10)は「映像で見るよりすごかった。弟に教えたい」と笑顔を見せた。

 学校の協力と環境が整ったからこそ成功したとする野島さんは、「何かあったら怖いけど、何もしないのは違うと思った。コロナ禍でもできることを探しながら、できる範囲で取り組んでいく」と、活動を続けると心に決めた。

2020年10月7日 無断転載禁止