介護施設のあったか話 「思いやりのケア」紹介

「介護施設で本当にあったとても素敵な話」を出版した川村隆枝さん
 2019年5月に70歳で麻酔科医から、介護老人保健施設「老健たきざわ」(岩手県滝沢市)の施設長に転身した島根県出雲市出身の川村隆枝さん(71)=盛岡市在住=がこのほど、エッセー「介護施設で本当にあったとても素敵な話」を出版した。

 川村さんは出雲高校を経て東京女子医科大(東京都)を卒業。夫の故郷、岩手県の岩手医科大で長らく勤務し、2005年からは仙台医療センター(仙台市)麻酔科部長として尽力した。

 本は、未経験の介護業界に70歳で挑戦した経験を基に執筆。新型コロナウイルスの影響で中止になった街のお祭りを施設内で再現するなど、施設のスタッフの細やかで手厚く、思いやりのあるサポートを紹介するほか、介護施設の種類や役割、健康で居続けるために必要な介護予防のポイントについて触れている。

 自身も介護の経験がある川村さんは、介護施設への入所について「送り出す側には後ろめたさ、入所する側には見捨てられたような悲しい気持ちが残るというイメージが世間に根強くある」と指摘。

 そうしたイメージについては「そんなことはない」ときっぱり否定する。介護のプロがそろう施設では、栄養バランスのとれた食事や清潔な環境が提供され、スタッフの親切なケアが行われていることから「施設は現代の姥捨(うばすて)山ではない。入所者にとって楽園といえる環境だ」と説いている。四六判176ページ。1430円。

2020年11月20日 無断転載禁止