世事抄録 神頼み

 年末年始は寒波による大雪の予報に、10年前の豪雪を思い出しながら、深々と降り積もる雪の様子を窓からチラ見しつつ眠りに就いた。コロナ禍の中、わが家は誰も帰省せず、静かでさみしい正月を迎えることとなった。

 自治会の新年会も中止となり、することもなく、悩んだ末に出雲大社に恒例の初詣に行くことにした。人出や車の混み具合はどうかと心配しながら雪道を走らせたが、車の姿はあまりなく、渋滞もないまま駐車場に到着し、余裕で駐車もできた。

 駐車場から北島国造館を経て本殿までの道すがら、ほとんど人に会わないという経験のない景色の中、本殿周辺まで行くと初めてにぎわいに出会った。とはいえソーシャルディスタンスを保ちながら参拝できる人数だったが。神様もさぞかしさみしい思いをしていらっしゃるだろうなと思いつつも、参拝者が少ないのでお願いが届く確率も高いかな、などと下世話な気持ちになっていた。

 二礼四拍手一礼でお願い事をしたが、思いの外、お願い事が多く湧き出てきて、神頼みしなければならないことが自分の中にこんなにたくさんあったことに改めて気が付いた。これまでこんなに長く手を合わせてお願い事をしたことがないくらいに。先が見えないコロナ禍の中、今までの経験則では対応できないことばかりだからか、それとも自分が怠け者になったのか。神のみぞ知る。

(雲南市・マツエもん)

2021年1月14日 無断転載禁止