三井野原町営リフト廃止 今季限り、累積赤字1.7億円

奥出雲町が廃止する方針を固めた町営リフト=島根県奥出雲町八川、三井野原スキー場
 島根県奥出雲町が同町八川の三井野原スキー場の町営リフトを廃止し、今季限りで運営から撤退する方針であることが21日、分かった。老朽リフトの修繕に多額の費用を要することや、近年の雪不足と利用客の減少が理由で、町が負担した累積赤字額は1億7700万円に上る。緩斜面で見通しが良く、家族連れに人気のスキー場は、簡易リフト3基を所有する民間が営業を続ける。

 2基の町営リフトは東西のゲレンデにあり、1基は設置から64年、もう1基も33年が経過。2013年度シーズンに10万人を超えた利用客は18年度に3万9千人まで落ち込み、積雪のなかった19年度は1日も営業できなかった。

 町はスキー人口の減少と今後の修繕費の増加を見据え、3月定例町議会にリフトの設置に関する条例の廃止案を提出する。来季は近くの民宿2軒が運営する簡易リフト3基のみでの営業となる見込み。

 05年の合併で発足した町は、旧横田町から町営リフトを引き継ぎ、冬季に13、14人の臨時職員を雇用して運営。リフト券の値下げや子ども向けイベントを企画するなどしてきた。しかし、1度も黒字に転じることはなく、町の一般会計からリフト事業特別会計に多い年で約1300万円を繰り入れる状態が続いていた。

 勝田康則町長は「リフト運営に反対の声もあったが三井野原地区の活性化に一定の効果はあった。営業を続けたかった」と話した。

 町営リフトは地元の小中学校のスキー教室で使われており、周辺の宿泊業者などでつくる三井野原観光協会(20年春解散)の会長だった白川英夫さん(68)は「財政面のこともあって仕方ないが、スキー場の象徴が無くなるのはさみしい」と惜しんだ。

 島根県内のスキー場は瑞穂ハイランド(邑南町)、アサヒテングストン(浜田市)が20年に閉鎖。琴引フォレストパークスキー場(飯南町)と三井野原スキー場の2カ所のみが営業している。

2021年1月22日 無断転載禁止