女子ログ マスクがなかった頃

 新型コロナウイルスの流行が拡大した昨年の春ごろ、マスクがなくて大騒ぎしたことが、今ははるか昔のように思えてくるほど、時のたつのはあっという間だ。

 店で売っていないからということで、久しぶりに裁縫箱を取り出して自分でマスクを縫ってみた。でも、久々の針仕事は決して褒められたものではなかった。何回も洗濯をするうちに、糸がほどけたり、縫ったところがとれたりして、即「引退」となっていった。ボタン付けくらいしか出番のなかった裁縫箱だったが、市販のマスクが出回るようになってからは、また戸棚の奥の方へ引っ込んでしまった。今のところ、再登場する機会はなさそうだ。

 でも、購入一辺倒も気を使う。不織布のマスクはもったいないから、市販の布マスクを使っていた。でも、色が白いとなかなかきれいに汚れが落ちず、だんだんとくたびれてもきた。色付きの方が汚れが目立ちにくいと気付いたのは、夏を過ぎたあたりだった。

 マスクをすると、感染予防以外にいいこともあるようだ。夫は毎日のひげそりが面倒くさがるのだが、マスクで隠れるのをいいことに、無精ひげを伸ばし始めた。娘が顔をしかめても知らないふりだ。私はさすがに化粧をやめる勇気はないけれど。

(浜田市・ファウスト)

2021年1月26日 無断転載禁止