おもしろサイエンス(10) 電子の不思議から5Gまで

電子のいろいろな作用
動力、暖房、光、電波 全部電子の作用だよ

 電子は負の電荷(でんか)を持つ粒(りゅう)子(し)(素(そ)粒子)です。一(いっ)斉(せい)に同じ方向に動くと動きの逆方向に向かって右回りに磁(じ)場(ば)をつくり、磁(じ)石(しゃく)との間に働く電(でん)磁(じ)力を生み出します。これが機械の動力になります。

 電子が金(きん)属(ぞく)などの物(ぶっ)質(しつ)の中を動くと物質にエネルギーを渡(わた)し、ものを暖(あたた)める光(赤外線)を放(ほう)射(しゃ)します。熱の量が増(ふ)えると目で見える光も放射されます(黒(こく)体(たい)放射)。電子機器に使われるICの部品となる半導体の光放射は、電子が決められた場所(伝導(でんどう)帯)から別の場所(価電子(かでんし)帯)に飛び移(うつ)るときの発光です。飛び移りが一斉に起こるような物質構(こう)造(ぞう)では、光の向きがそろった強い光の束(たば)となります。これが、LED(発光ダイオード)やLD(レーザーダイオード)から出る光です。

 光は非(ひ)常(じょう)に短い周期の電波(電(でん)磁(じ)波(は))です。光が1秒かけて進む間に何回繰り返すかを意味する周(しゅう)波(は)数(すう)を用いて「高(こう)周(しゅう)波(は)」といい、1回の繰り返しの間に光が進む距(きょ)離(り)を用いて「短(たん)波(ぱ)長(ちょう)」ともいいます。レントゲン撮(さつ)影(えい)で使うX(エックス)線は光よりさらに短い短波長の電磁波です。

 別の作用として電子を短時間に一斉に流したり止めたりを繰(く)り返すと、繰り返しの周期に応(おう)じて異(こと)なった性(せい)質(しつ)を持つ電磁波が外に出ていきます。

 最後に1秒間に100億回以上振(しん)動(どう)する電波を使う5(ファイブ)G(ジー)(第5世代移(い)動(どう)体(たい)通信方式)に触(ふ)れます。アンテナが電波の窓(まど)口(ぐち)になります。電波から光、光から電波への変(へん)換(かん)に電子が関わり光ファイバーにつながります。これを使えばどこからでも同時かつ即(そく)時(じ)にドローンやコンピューターと結べます。応(おう)用(よう)は無(む)限(げん)です。人口あたり面積の広い島根県では、豊(ゆた)かな土地を活用し発展させる道具となるでしょう。

しまね・つくば研究者ネットワーク顧問 林 秀臣
■略(りゃく)歴(れき)
 1943年生まれ。松(まつ)江(え)市立朝日小、松江三中、松江北高卒。芝(しば)浦(うら)工業大学卒、都立大学大学院修(しゅう)了(りょう)、フジクラ、東京大学先(せん)端(たん)研、芝浦工大先端研、エコデザイン推(すい)進(しん)機(き)構(こう)理事、第1級アマチュア無線技(ぎ)士(し)

2021年1月27日 無断転載禁止

こども新聞