支援なく山陰両県窮地に 東京は協力金で経費相殺

夜間営業を休止した炉端かば松江駅前店=島根県松江市御手船場町
 政府の飲食店支援が緊急事態宣言の対象地域に偏る状況で、かばはうすホールディングス(島根県安来市安来町)が首都圏と山陰両県で展開する店舗ごとの経営に歴然とした差が表れている。都内に置く店舗は時短の協力金で経費を賄えるのに対し、支援がない松江市内の店舗は赤字に陥り、窮地に立たされている。

 同社は首都圏で14店を経営。1都3県に緊急事態宣言が発令された年明けから休業、時短営業を拡大し、夜の営業は現在2店舗のみとなっている。

 「元祖鶏ちゃん焼き・ねじべえ大門店」(東京都港区)はランチを主体に、夜は通常より3時間半早い午後8時に店を閉める。

 1月の売り上げは前年比で8割減と厳しい状況だが、時短営業に伴い都から1日6万円の協力金が支払われる。1カ月で最大180万円に上り、スタッフ6人のうち3人分で申請する雇用調整助成金(雇調金)と併せれば、人件費と光熱費、家賃はほぼ賄える計算だ。松田幸紀社長は「苦境にあって、非常にありがたい」と話す。

 一方、山陰両県の店舗は追い込まれている。

 2020年3月に移転オープンした「炉端かば松江駅前店」(松江市御手船場町)。19日のランチ営業の客はわずか15人だった。

 オープン後や夏場は40~50人が来店していたが、全国的な感染第3波を受けて年末から客足が遠のき、売り上げは東京の店舗と同程度の7~8割減の水準に落ち込む。

 18人のスタッフは雇調金を活用し東京の店舗と同じ出勤3人に減らし、固定費の削減に努めている。それでも協力金がない状況で1月は単月で数百万の赤字が出た。

 厳しい状況に耐え切れず、両県11店のうち7店は今月15日から2週間の休業に入った。松江駅前店を含む4店もランチ営業のみに縮小した。松田社長は「売り上げが厳しいのは感染拡大地域も山陰も同じ。それなのに一方にだけ協力金がないというのはどうなのか」と、地域で支援が偏在する現状に疑問を呈した。

2021年2月20日 無断転載禁止