寄り添う覚悟

 15年ぶりにプロ野球巨人に復帰した桑田真澄投手チーフコーチ補佐のインタビュー記事(11日付)に目が留まった。「ともに考え、苦しみ、悲しむ、そして喜ぶ伴走者でありたい」。選手に寄り添う覚悟がにじむ▼こちらは寄り添う覚悟がなくなったのだろう。韓国国防省は、今月2日に発表した2020年版の国防白書で、日本について「隣国」との表記にとどめた。前回発表の18年版では、共に協力しなければならない「同伴者」としていたにもかかわらず▼異例の”格下げ”は、一昨年秋の元徴用工訴訟判決を巡る日韓両国の対立が先鋭化しているのが原因。竹島(島根県隠岐の島町、韓国名・独島(トクト))についての日本側の領有権主張も「事実をごまかした一方的な発表で両国関係が難航した」と指摘した▼戦後最悪とされる日韓関係の中できょう、16回目の島根県の「竹島の日」を迎える。反感が交じる現状では、領土問題解決の糸口はとても望めそうにない。だからといって、やり過ごすわけにはいかない。漁業者は今も実害を受けているからだ▼竹島周辺海域では韓国漁船の違法操業が常態化し、日本漁船は閉め出された状態。操業ルールの交渉を進めたくても、韓国側は領土問題を盾に向き合おうとしない。漁業者の生活の場を取り戻すため私たちにできることは何か。冒頭の桑田補佐の言葉を借りれば、ともに考え寄り添う伴走者でありたい。(健)

2021年2月22日 無断転載禁止