収容手続きのため、自宅を出る飯塚幸三元被告=12日午後0時4分、東京都板橋区
収容手続きのため、自宅を出る飯塚幸三元被告=12日午後0時4分、東京都板橋区

 東京・池袋で2019年、乗用車が暴走して母子が死亡、9人が重軽傷を負った事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われ、禁錮5年の実刑判決が確定した旧通産省工業技術院元院長の飯塚幸三元被告(90)が12日、東京拘置所に収容された。健康状態を確認し、刑務所に入る手続きが進められる。

 元被告は支援者を通じ、初めて過失を認め「判決文を読み、暴走はブレーキとアクセルを間違えた結果だったのだと理解した。過失を反省するため刑に服したい」とし、遺族らに謝罪するコメントを出した。

 妻真菜さん=当時(31)=と長女莉子ちゃん=同(3)=を亡くした松永拓也さん(35)もコメントを発表。元被告が過失を認めたことに「『最初からこの言葉があれば』とどうしても思ってしまう」と明かし、「真の意味で償える日が来るかどうかは彼次第だと思う」とした。

 東京地裁は9月2日、アクセルとブレーキを踏み間違えた過失が事故原因と認定し、禁錮5年の判決を言い渡した。元被告は公判で、車の異常が原因として無罪を主張したが、判決後に面会した支援者に「遺族に申し訳ない。判決を受け入れたい」と話し、控訴しなかった。検察側も控訴せず同17日に確定した。

 刑事訴訟法は「著しく健康を害するときや生命を保てない恐れがあるとき」や「70歳以上」の場合、刑の執行を停止できると規定する。元被告は自力で歩くことができず体調に不安を抱えるため、検察が刑務所に収容できるかどうかを検討。元被告自身は周囲に、執行停止を求めない意向を示していた。

 判決によると、19年4月19日昼、豊島区東池袋4丁目で、横断歩道を自転車で渡っていた真菜さんと莉子ちゃんを乗用車ではねて死亡させ、男女9人に重軽傷を負わせた。