購入した果物や化粧品を海外に転売する事業に出資すれば、配当を上乗せして返金するとうたい、配当率を上げるための「保証金」や商品の購入代金の名目で現金をだまし取ったとして、愛知県警は17日、詐欺の疑いで、岡山県赤磐市の観光農園経営会社「西山ファーム」=破産手続き中=の元幹部伊藤弘敏容疑者(37)=岡山市北区伊福町3丁目=ら5人を逮捕した。海外にいるとみられる社長山崎裕輔容疑者(40)の逮捕状も取った。

 県警によると、2015年7月から転売事業を展開。愛知県を中心に31都道府県(山陰両県なし)の930人から計約133億円を集めた疑いがある。県警は、事業の実態がほぼなく、配当の見込みがないのに出資を募っていたとみて、被害の全容解明を急ぐ。

 同社の事業は(1)転売する商品を出資者がクレジットカード決済で購入(2)引き落とし前に数%の配当付きで代金を返す―という仕組み。商品自体は出資者の手元に届かない預託商法だった。16年4月からは保証金名目で現金も募るようになった。

 5人の逮捕容疑は共謀して18年12月~19年2月、横浜市青葉区の女性会社員(30)に「配当を毎月得るには保証金500万円が必要」などとうそを言い、商品購入代金名目の約286万円と保証金名目の500万円の計約786万円をだまし取った疑い。県警は5人の認否を明らかにしていない。

 伊藤容疑者は資金管理などを担当。他の4人は当初は出資する側だったが、途中から会員制交流サイト(SNS)などで新たな出資者を募る立場になった。獲得人数が多いことから、同社の「四天王」と呼ばれていた。

 出資者によると、19年2月ごろに配当、返金が停止し、事業は事実上破綻。県警は同5月、出資法違反(預かり金禁止)の疑いで名古屋市の同社事務所など関係先を一斉捜索していた。

 多くの出資者がカード会社に多額の債務を負い、少なくとも17都府県の顧客約200人が、出資金の返還を求めて民事提訴、または提訴を予定している。