秋の島根大会の上位3校が出場する第137回秋季中国地区高校野球大会。10月15日に組み合わせが決定し、22日から山口県で熱戦の火ぶたが切られる。「コータの野球ざんまい第11回」は、スポーツライターの井上幸太氏が、春の選抜高校野球につながる同大会を占う。

秋の中国大会の組み合わせ

 来春のセンバツで中国地区に与えられる出場枠は2、もしくは3。3枠目は四国勢との比較となるため、出場を“当確”させるには、決勝まで勝ち進むことが必要となる。

 2020年に平田が21世紀枠で出場を掴んだものの、島根県勢の一般枠でのセンバツ出場は、2016年の開星まで遡る。県勢6年ぶりの一般枠出場の期待が膨らむ中、今回は島根県勢3校と対戦が見込まれるチームを中心に展望する。

左腕攻略がカギ
 1回戦、準々決勝が行われる初週は山口マツダ西京きずなスタジアム(以下西京スタジアム)、津田恒実メモリアルスタジアムの2球場が大会会場となり、第2週の準決勝、決勝は西京スタジアムで開催される。

 初戦から決勝まで西京スタジアムで戦う左側のブロックは、有力校がひしめく激戦のゾーンとなった。

 このゾーンに入ったのが、県1位の立正大淞南。初戦は山口3位の岩国商に決まった。初戦のポイントとなるのが、岩国商のエース左腕・中村太耀の攻略だ。
 

岩国商のエース左腕・中村太耀

 130キロ前後のストレートと曲がりが大きめのスライダーが武器で、山口大会6試合中5試合を完投したスタミナもある。立正大淞南打線の軸になる福島迅、福島脩太ら左打者陣が外角低めに切れ込むスライダーを見極められるか、谷川翔太ら右打者は中に入ってくるクロス気味のボールを差し込まれずに弾き返せるかが焦点になりそう。

 守りでは中軸に座る宮重翔の前に走者をためないことが重要になるか。正捕手でもある宮重を抑え込み、打撃から守りへのリズムを生まないようにしていきたいところだ。

 勝ち進んだ場合、次戦の準々決勝では岡山学芸館との対戦が有力視される。ドラフト候補にも挙がる大型遊撃手の宇地原丈智、主将、正捕手も担う左の巧打者・勝樂剛琉(かつらく・たける)、左の長距離砲・岡田諒汰郎が並ぶ中軸は今大会でも指折りと見る。

 森下叶太郎、藤原遥大の1年生1,2番コンビを含め、岡山大会決勝ではスタメン9人中6人が左打者。島根大会3回戦の三刀屋戦、準決勝の益田東戦の好投で自信を深めた左腕・小坂純輝の起用法がキーになりそうだ。

 投手陣は、インステップ気味に踏み込み、130キロ中盤の速球を投げ込む右腕の大橋葵平を立ててくる可能性もあるが、背番号1は技巧派左腕の岡田景翔。ここでも左腕攻略がカギになる可能性がある。

岡山学芸館の岡田景翔

 尾道商が勝ち上がってきた場合も、主戦の小林龍世、それに次ぐ存在の賀美颯太が左腕と、どちらにしても準々決勝でも左投手を打ち崩す必要がある。

尾道商の小林龍世

 尾道商打線は、小学生時代に広島東洋カープジュニアに選出された実績も頷けるセンスが攻守両方から漂う3番・遊撃手の和田瑞己、広島大会決勝で猛打賞の4番・木舎駿介、和田、木舎に劣らないパンチ力を持つ5番・石井悠斗ら右打者が軸。対峙する際には、持田翔秀、島根大会に続いてエースナンバーを背負う井上雄輝の右腕2人の出来が重要になってきそうだ。

 勝てばセンバツが大きく近づく準決勝での対戦が有力なのが、...