出雲弁の落語を披露する錦織吉美さん=松江市雑賀町、雑賀公民館
出雲弁の落語を披露する錦織吉美さん=松江市雑賀町、雑賀公民館

 楽しみながら出雲弁に親しんでもらおうと、松江市宍道町上来待の錦織吉美さん(71)が落語に取り入れ、披露している。子どもたちに出雲弁が伝わらないことを寂しく思い、発案した。依頼に応じて月に2回程度、島根県東部の公民館などで演じ、喝采を浴びる。

 高座名は中屋ごんべぇ。運営する英語教室の子どもたちと話していて出雲弁が伝わらず「何らかの形で残したい」と思ったのがきっかけ。「方言は会話だから会話でやりたい」とテンポの良い掛け合いが魅力で、高校生の頃に親しんだ落語に着目し、2019年に始めた。

 演目を出雲弁に書き直すところから手掛ける。練習してみて方言が合わない内容だと気づき演目を選び直すこともある。覚えるのにも時間がかかり、新しい演目を演じるまでに半年近く費やす。

 今月中旬には雑賀公民館(松江市雑賀町)で演目「親子酒」を披露した。酒好きな商人の親子が酒を絶つ約束をしながら、さまざまな理由を付けて結局、酒を飲むストーリー。「また今夜も酒飲んじょうかね」「ちょんぼし酔っぱらっちょーます」と軽快な出雲弁でのやりとりを演じ、来場者15人を笑わせた。

 出雲弁落語を聴いた野津悦子さん(70)は「分からない言葉もあったが、方言の落語は初めてで面白かった」と楽しんだ様子。

 錦織さんは「楽しんでもらいながら、出雲弁の良さにあらためて気づいてほしい」と語り、今後も活動を続けるつもりだ。

 依頼は市ボランティアセンターで受け付ける。電話0852(27)8388。
      (片山皓平)