朝山神社の一の鳥居に設置された臨時の遥拝所=出雲市朝山町
朝山神社の一の鳥居に設置された臨時の遥拝所=出雲市朝山町

 旧暦10月の神在月に、縁結びを話し合う神々が最初に訪れるとされる出雲市朝山町の朝山神社の参道入り口に、下から神社を拝むための遥拝所(ようはいじょ)ができた。7月の豪雨で道路の一部が崩落し、境内に行けなくなっており、11月5日からの神在月を前に参拝者のため臨時で設置した。本殿は見えないが、関係者は「心の中で神々を感じ、拝んでほしい」と呼び掛ける。
 豪雨の影響で、国道184号から神社に向かう林道の2カ所が崩落。国道寄りの部分は応急復旧で車が通行できるようになったが、もう1カ所は大きく崩れ、通行止めが続く。徒歩で行き来する参道も土砂崩れで通行不可になっている。
 神社への参拝を停止にする中、例年神在月は県内外から多くの参拝客が訪れるため神社が今月上旬、参道入り口にある一の鳥居に臨時遥拝所を準備。さい銭箱を移動し、ご朱印の申込書やパンフレットを並べた。ご朱印は初穂料と申込書をさい銭箱に入れると後日、郵送で届く。11月5日~12月3日の神在月の期間中には出雲、松江両市の五つの神社を巡る「神在社スタンプラリー」の台紙と記念印を置く。
 松尾充晶宮司(48)は「ご不便をかけ、悔しく残念でならないが自然のことなので致し方ない。鳥居の麓から神々しい雰囲気を感じ、心を込めて拝んでいただきたい」と話した。11月5日の神迎え神事、14日の神送り神事は神職や総代ら関係者だけで行い、一般の参列は取りやめる。総代長の吉田芳明さん(70)は「来年は一般の人にも参列してもらいたい」と林道の早期復旧を願った。
 林道を管理する市農林基盤課は、仮工事を検討したが急峻(きゅうしゅん)な場所で施工が困難と判断。復旧費が高額になるため国の補助金を活用する方針で、着工は年明け以降になる見込みという。
 遥拝所は境内に安全に行けるようになるまで神在月以降も設置する。
 (月森かな子)